芳水地に恵む

非農家や都市住民も参加した地域活動は、すでに日本の各地で始まっています。水土里(みどり)ネット(土地改良区)による「21世紀土地改良区創造運動」もここ数年大きな成果をあげてきました。また、平成19年度より「農地・水・環境保全向上対策」が本格的に実施されています。ここでは、それらの活動のごく一部を紹介します。

水源林への植樹

熊本県阿蘇市の水土里(みどり)ネット一の宮は地域住民や学校と連携して阿蘇の自然を守る積極的な活動を展開しています。特に注目されるのは、水源かん養林「水土里(みどり)ネットの森」への植樹活動。流域に位置する複数の水土里(みどり)ネットへ呼びかけ、10年計画のもとに、広報活動や下草刈り、1haにつき2,000本の広葉樹を植える活動等を行っています。

水質浄化

琵琶湖に面する滋賀県米原市宇賀野地区では農地・水・環境保全向上活動の一環として水質保全に向けた活動を展開しています。ここでは琵琶湖からの魚の遡上を目的に排水路に魚道を設置、産卵・生育の場を提供する「魚のゆりかご水田」づくり、ホタルや希少種ナガエミクリの保全などにも積極的に取組んでいます。

グリーン・ツーリズム

栃木県塩谷町では、NPOが廃校を利用した体験学習施設を運営しています。地域との交流や農業体験を通じて、都市と農村の交流を図っています。

 

生態系保全

山形県庄内町家根合地区では、地域住民との交流や学校教育との連携を図りながら、生態系に配慮した施設(メダカ保全池)の管理や、絶滅が危惧される希少種(メダカ、日本アカガエル等)の生息状況の把握などの活動を行っています。

自然体験学習

北海道長沼町では、農家民宿を利用した体験型修学旅行、農業体験の受け入れを行っています。平成18年度は、東京、兵庫、福岡など七都府県から10校が参加、19年度は9都府県17校が参加。また農家に宿泊する農業体験では札幌市の中学校の約900人が参加(平成19年)するなど、大盛況となっています。生徒は、様々な農業体験実習を通して、農作業の実際や農業用水の役割など農業に対する理解を深めます。

環境教育

新潟市山崎興野地区では、地元小学校の環境教育として農業体験を実施。農地・水・環境保全向上活動ではビオトープの造成や伝統的農法による米づくりやハサ掛け等を行っています。

景観保全

栃木県那須塩原市の水土里(みどり)ネット那須野ヶ原では、「水路愛護の日」を設け、地域総出で水路の清掃作業を行っています。近くには観光地があり、たくさんの人が水路沿いのきれいな空間を楽しんでいます。

水路の保全活動

島根県安来市茶屋地区では、非農家も含めた「茶屋ES」と名づけた独自の事業を展開。農業用水路のストックマネジメント活動の他、水質保全、景観形成、耕作放棄地の復旧などにも取組んでいます。

地域振興

京都市大原地区では水土里(みどり)ネット、大原農業クラブ、NPO法人京都大原里づくり協会からなる「大原里づくりトライアングル」を結成。様々な活動に取り組むとともに、遊休農地を梅林として活用し、特産品の開発を行っています。