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第一章 「農」ってなーに?
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第二章 第三章 第四章
「農」とは"エネルギー生産”をコントロールする仕事  さあ、ここまでお読みになった皆さんには、「農」が何を意味するかはもうお分かりでしょう。・・・そうです。「農」とは、農地を造ってお米や野菜を育てる、つまり、太陽エネルギーを(人間用の)化学エネルギーに変換する仕事ということになりますね。

  いや、実際にエネルギー変換をするのは植物ですから、人間は、風雨や霜の影響から守ったり、水や肥料を絶やさないようにしたり、品質を高めたり、エネルギー変換の効率を良くしたりと、作物のエネルギー生産をコントロールしていることになります。

 別な言い方をすれば、食物連鎖の頂点にいる人間が、食物を生産している ――― ここに「農」の本質があるわけです。

  エネルギー生産をコントロールしているのは作物だけではありません。草やトウモロコシなどの飼料を食べる牛や豚も、いわば高濃度のエネルギーを貯金してくれるわけですから、これを育てることも一種の<生産>ということになります。植物が<一次生産者>とすれば、家畜は<二次生産者>とも言えそうですね。 

  「農」の仕事は食物としてのエネルギー変換だけではありません。今はあまり見られなくなりましたが、昔は多くの畑で綿(ワタ)という作物を作っていました。綿の種子は“わた”になります。布団のわたや綿棒にするあのわたです。シャツやジーンズでおなじみのコットン(木綿)を作っていたのです。また、桑畑では桑を育て(一次生産です)、桑の葉を蚕(かいこ)という草食動物に食わせ(二次生産ですね)、その蚕のサナギがつくる繭(まゆ)から絹糸(シルク)を作り出しました(三次生産)。この綿織物や絹織物は、明治から大正にかけての近代化を支えた代表的な産業であり、日本はたくさん輸出してお金をかせぎました。

 というわけで、「農」とは太陽エネルギーから、人間用の化学エネルギーを生産する仕事であることが分かりました。
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