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第一章 第二章 第三章 第四章 「農」と国土の変貌
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産業革命はエネルギー革命であった  新しいエネルギーといっても、石炭や石油の存在は、紀元前のギリシャ時代から知られていました。日本でも、天智天皇の即位(668年)で「越の国が燃える土と燃える水を献じた」と、『日本書紀』に石炭や石油が登場します。越後の天然ガスも知られていました。

  ただ、どこの国でも採掘は危険であり、火力が強すぎるなど利用方法が限られてきたのです。したがって、人類は長い間、木炭、つまり太陽エネルギーに頼ってきました。ところが、山の面積が少ないイギリスでは森林が枯渇し、深刻なエネルギー危機におちいりました。このため、他の国に先がけて石炭を使う必要に迫られたわけです。イギリスでは16世紀の中頃(日本では室町時代後期)から、石炭を燃料としてレンガ、塩、石鹸などを作っており、やがて新しい鉄の製法が開発されると、欧州一の産業国に成長します。

  そして、画期的となったのがジェームズ・ワットによる蒸気機関の発明(1781年)でした。この発明により、人類は機械による<回転運動>という革命的な技術を手に入れることになるのです。現在もほとんどの機械の動力は回転エネルギーを使用しています。車や列車、飛行機も回転運動が可能にしたもの。19世紀になると回転により電気を生み出す発電装置が発明されました。人類は、ついに電気というエネルギーも手にしたのです。

  徒歩では1日せいぜい30km。馬車でも1日160km。ところが、車や列車であれば600〜800km、飛行機なら何千kmも移動できます。ともかく、人類は、人力や畜力をはるかに上回る強力なパワーを得ることになりました。

  産業革命とは、これまで太陽エネルギーに頼っていた産業を、地球の埋蔵エネルギーである石炭という動力に変えて飛躍的な生産力を生んだということで、エネルギー革命とも呼ばれています。イギリスはこうした産業によって莫大な富を築きました。1910年代のイギリスでは、石炭による年間エネルギー生産は国土の約3倍の森林に匹敵します。つまり、太陽エネルギーの宿命であった面積の制約からも解放されたわけです。産業革命は、またたく間にヨーロッパ全域に拡大します。いわゆる工業社会の到来です。そして、20世紀になると石油がエネルギーの主役として登場します。宇宙まで到達したこの20世紀の偉大な文明に関しては、ここで触れるまでもないでしょう。

 石炭にしろ石油にしろ、夢のようなエネルギーです。太陽エネルギーが天候に左右される不安定な収入だとすれば、まるで、莫大な遺産を手にしたようなもの。いや、たとえ話ではなく、実際に石炭や石油は何億年前の植物などの化石です。つまり、太陽エネルギーを何億年とかけて蓄積してきた地球の遺産だったわけです。したがって、石炭や石油は化石資源とも呼ばれています。

  そして、これらのエネルギーの獲得によって、地球上では、とてつもない変化が起きることになるのです。
※イメージ写真「蒸気機関車」:写真提供「舞!組曲」

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