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「農」の歴史をエネルギー的観点から見てきましたが、いよいよ最終頁となりました。 「1.農ってなーに?」では、太陽エネルギーを蓄積できるのは植物だけであり、動物は食物連鎖で生きていること。「農」はエネルギー生産の仕事であることが分かりました。 「2.農の発生」では、日本では今から2300年ほど前に農耕が発生したこと。富の蓄積によって国や社会というものが生まれ、長い戦乱の歴史があったことを知りました。 「3.農が造った国土」では、日本の国土や気象が特殊であり、太陽エネルギーを得るため、地球10周分の水路など国土を改良しながら水田という優良な農地を造ってきたこと。 「4.農と国土の変貌」では、化石資源のエネルギーで産業革命が起こり、日本も経済大国になったこと。しかし、その化石資源はあと数十年でなくなること。新しい油田が見つかっても、地球温暖化の問題で、これまでのようには使えないことも分かってきました。 さて、ここで、最後にひとつ問題を出しましょう。地球が危険になり、宇宙船で脱出したとします。その宇宙船では、食料はどうするのでしょうか?・・・どれだけ持っていっても、なくなってしまいますね。また、宇宙には酸素も水もありません。 実は、この問題はすでにアメリカで実験(バイオスフィアU)が行なわれました。今、日本でも青森で行なわれています※。
お分かりですね?・・・宇宙で生きのびるためには、やはり太陽エネルギーを食物のエネルギーに変換してくれる植物が要るのです。そして、それを食べる動物も。その前に、水と土が必要ですね。酸素を生み出す森も。水が循環するには川や海も・・・。何のことはない、近代技術を結集した宇宙船の中に地球と同じ生態系を造ること。つまり「農」のシステムです。それが現在、宇宙空間で人類が生きのびる唯一の科学的手段らしいのです。 明るい話題もたくさん出てきています。農作物からエタノールという、いわばガソリンをつくる技術も実用化され、すでに外国では植物から作った燃料で車を走らせています。サツマイモやサトウキビからプラスティックを作る技術も開発され、水素を使った燃料電池は製品化されています。世界中の企業が、「農」の新しいエネルギー開発に取り組んでいます。これらの排出するガスは、地球温暖化には影響を及ぼしません※。こうした技術はバイオ・テクノロジーと呼ばれ、21世紀の科学の主流になるといわれています。日本でも、「バイオマス・ニッポン総合戦略」が国会で決定されました。 ※植物は大気中のCO2を吸収して育つので、植物由来の燃料で出るCO2は、大気中のCO2の増加には無関係とされています。 今、まさに、私たちの社会は、新しい「農」の時代を迎えようとしているのです。
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