1913年にアメリカ・オハイオ州で開設されたグリーブランド美術館(CMA)。
所蔵品は、印象派などの近代美術~現代美術、ヨーロッパやアメリカの絵画・彫刻、ギリシャとローマの美術、中国、韓国、オセアニア、アフリカ、イスラム美術など、コレクションの幅は広く、特に東洋美術の収集品は世界屈指と言われています。
所蔵品数は7万点に及び、オンラインのCMAのコレクションには、61,000を超えるアートワークデータが無料公開されています。
そのうち、パブリックドメインとなっている作品がおよそ3.6万点で、商用利用も可能です。
また、画像のほとんどが高解像度であり、ビデオ付きや3D画像も多数。
さらに、専門家や、美術を学ぶ方は、高解像度TIFFファイルをダウンロードしてみてください。
画像サイズが500MB位程と、大容量なのでデータは重いですが、作品のかなり細かいディテールや技法までも、鑑賞することができます。
それでは、グリーブランド美術館のダウンロード手順と見どころ作品をみていきましょう!
Contents
1.パブリックドメイン作品がおよそ3.6万点!無料ダウンロード手順
1-1.公式ホームページを日本語に変換する
まずはグリーブランド美術館公式ホームページへ
英語で書かれているトップページを日本語に変換します。
グーグルクロームの場合、右クリックで日本語に翻訳するボタンをクリック。
1-2.オンラインコレクションを選択する
メニューの美術タブから、オンラインコレクションを選択。
1-3.オープンアクセス画像に絞る
次ページでコレクション検索ページに移ります。
メニュータブのオープンアクセスに絞りこむと、36,000点超がヒットします。
オープンアクセスに絞り込むことで、作品の著作権をCC0に絞り込めます。
1-4.細かい検索条件を選択
ここから、より詳細に検索される際は、画面右の高度な検索ボタンをクリックすると、細かい検索条件がプルダウンで表示されます。
下矢印マークをクリックすることで、プルダウンが表示されるので、アフリカ美術、中国美術、現代美術、、韓国美術、日本美術、版画、彫刻など、お好きなジャンルやで絞りこみが可能です。
本記事では、公式サイトの見どころ作品を集めたハイライトで絞り込みます。
ハイライトの中から、ルノワール初期の作品ロメーヌ・ラコーの肖像画をダウンロードします。
ハイライト画面を下にスクロールし、『ロメーヌ・ラコー』をクリック。
1-5.著作権の確認、ダウンロード
次ページで、作品の詳細画面になります。
アングルを変えたい場合は、代替ビューをクリックすることで、アングルが表示されます。
また、著作権は、ダウンロードボタン右に表示されています。
本作品の著作権はCC0なので、CC0ボタンをクリックすると、著作権内容が表示されます。
著作権を確認できたら、ダウンロードボタンをクリック。
ダウンロ―ドボタンをクリックすると、下記の3種類のプルダウンが表示されます。
- 高解像度TIFF
お好きなサイズのファイルを選んでクリック。
ダウンロードしたルノワールの作品『ロメーヌ・ラコー』がこちら
この作品は1864年、ルノワールがまだ23歳と若いころに描いた肖像画で、描かれている女の子は当時9歳のロメーヌ・ラコー。
彼のキャリアの初期に書かれたこの作品で、すでに色彩や輪郭線の表現、筆遣いなど、技術を十分に身につけていたことがわかります。
その後、印象派の巨匠となることを予期させる、彼にとって重要な作品であったと考えられます。
高解像度のTIFFファイルをダウンロードし、拡大することで、作品の細かいディテールまで、鑑賞できます。
2.作品のビデオ解説付で、無料ダウンロードできる見どころ作品(パブリックドメイン)
2-1.ビデオ解説付き作品に絞って検索
コレクション検索画面で、メニューのビデオ解説付きを選択すると、ビデオ付解説付きのハイライト作品に絞り込んで、ダウンロードすることも可能です。
解説動画は英語で作成されており、日本語字幕に対応されていないのが残念ですが、翻訳することで、作品を深く掘り下げて鑑賞することができます。
オープンアクセス、ハイライト作品に絞った後、ビデオ解説付きをクリックすると86作品に絞られます。
ここでは、86作品の中から、いくつかの見どころ作品をダウンロードします。
2-2.カラヴァッジョ(Caravaggio)の作品『聖アンデレの磔刑』
バロック絵画の傑作『聖アンデレの磔刑』。
ギリシャにキリスト教を布教しようと福音を宣べ伝え、磔刑になった聖アンデレ。
十字架に縛られたまま、2日間生き残り、群衆に教えを説いたといわれています。
カラヴァッジョの解釈は、磔刑を恐ろしい公の光景としてではなく、親密でプライベートなものとして表現しました。
光と闇の大胆なコントラストは、神の存在を示唆しています。
作品についての3つ動画で2分弱の解説がされています。
2-3.フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)『プラタナス並木通りの道路工事』
この作品は、ゴッホの生涯の後期に油絵で制作されたものです。
巨大なプラタナスの下で寒さに耐えながら道路工事をしている労働者にインスピレーションを得た作品。
ゴッホの線の使い方と遠近法のテクニックで、美しく穏やかで、情緒的な秋の生命を表現しています。
2-4.ニコラ・プッサン(Nicolas Poussin)『階段の上の聖家族』
2-5.彫刻や銅像などを3Dで好きなアングルで鑑賞
彫刻や、銅像などの美術品は、3Dで鑑賞できるものも多数あります。
メニューから、オープンアクセス、3Dを選択すると30点ヒットします。
初期のキリスト教の聖人で殉教者であったセバスティアンの彫刻や、16世紀のイタリアで使用されていた、人と馬の鎧など、が鑑賞できます。
3.終わりに
アメリカの美術館は、ヨーロッパの美術館よりパブリックドメインやCC0の作品をオープンアクセスで無料ダウンロードできる美術館が多い印象です。
また、公式サイトにて絞込検索できるなど、ユーザビリティが良く、美術館のオンライン化が特に進んでいます。
そんなアメリカの美術館の中でも、グリーブランド美術館は、作品に動画付きの解説や3D鑑賞を施すなど、とても親切で使いやすく、ユーザーの目線に立ったサイトで、とても好印象でした。
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